葵に言われ、勝手に流行る気持ち。
ドキドキは嫌でも加速していく。
「 椿、来て 」
「 はいっ 」
行くしかないね、うん、彼女だもん!
…いやぁん、待ってぇ 改めては恥ずかしいですよ~
葵の部屋に入ると、葵が私に振り返る。
これ以上は心臓に良くないだろうと思うくらい、心音がうるさい。
私の気持ちを知らずに葵が手を差し伸べてきた。
葵を見つめながら手を合わせると、葵が握る。
引き寄せられる私は ギュウッと抱きついた。
葵…
「 椿、窓開ければ たぶん、聞こえるかも 」
「 うん… ん?え、え?」
何が聞こえるのかと、葵の言うことに拍子抜けした。
葵… 私と、ねぇ… そのさ、何て言うか…
違うの?
「 玉木と風見の会話だよ、気になるだろ 」
そう言って窓をそっと開ける葵を、後ろで見ながら ガクッと全身の力が抜けた。
私… てっきり、葵とって思ってた。
恥ずかしいどこじゃないじゃん…
バカ、もう!
「 椿、寒いから 毛布に 」
葵が窓際で肩から毛布を被るようにして、私を呼んだ。
すっぽり入る私は葵の前に立ち、柚奈と壮真の声が聞こえるのを待った。
葵と毛布なね包み込まれていると、誤解してしまった自分が恥ずかしくてたまらない。
「 なぁ、椿… 雅を気にしてるなら 気にしなくていい。すぐ機嫌直るし、単純だからな 大人のくせに 」
葵、私の事… 心配してくれてたんだ。
雅くんに やっぱり 言い過ぎたって謝ろ…
「 ありがと、葵。柚奈の事で責めすぎたから… 」
謝ろうと思う… 最後まで言えないのは葵のせい。
「 雅は、もういいよ 」
葵げ私の顎から頬を優しく持ち横を向かせた。
塞がれる唇からは言葉は出るはずもない。
葵… ヤキモチ妬いたの?

