私は柚奈が服を着替えている間に葵にメールをする。
すると電話がかかってきた。
そして、耳に聞こえるエンジン音。
「 もしもし 葵?」
『 風見が来るんだろ? 椿、うちに来る? 雅が出かけたし、帰ってくるかどうか…』
え、外出禁止じゃなかったっけ?
「 雅くん、機嫌悪かったもんね… 」
私たちのせいで。
『 風見と玉木が話すなら 椿はいない方がいんじゃないか? 隣だし 来れば? 俺は 嬉しいけど 』
「 行くっ!!」
は~ 葵ったら、 来いよ 椿!とか スバッと言えばいいのに…
照れちゃって、私も嬉しいけどさ。
葵に誘われ即返事をした私は柚奈に話す。
柚奈は ありがとうと言って笑みを見せた。
「 じゃあ 壮真に道を教えてあげてね、私は隣にいるから。…何にも触らせないでねっ 」
「 うん、わかった。がんばるから 」
うんうん、と頷いて私は自宅を出て、隣の葵宅のインターホンを鳴らした。
ドアを開けてくれた 葵が目の前にいる。
ドキッと 心がまた恋をした。
今 好きって言いたいな…
マズいよ、私… 葵が目の前にいるだけで どうかしちゃう。
「 椿、入って、寒いだろ?」
あ、ボケッとしてた。
「 えへへ、ありがと… 」
え… 葵?
部屋に入った私に、葵が目の前で腕を広げている。
ドキドキする気持ちに押し潰されそうなくらい 私は葵だけを見つめ、腕の中に 吸い込まれるように入った。
鼻血でちゃう…
プッツンしちゃう…
私の脳ミソ、たぶん溶けてる。
「 椿… 部屋、行く?」
え… なんと?
まさか、まさか… まさかのまさか?

