柚奈が買い物に出て、私は お米を研ぎながら 何とか雅に謝りたいと考えていた。

初めて見た雅の冷たい表情。

謝りたいが、気持ちが引っ込んでしまう。


「 は~… はあぁ… ため息しか出ない~」


でもさ、私が悪いの?

もとはと言えば柚奈が原因…



「 う~ 責任転嫁はダメじゃん!あーっ もう、こんな気まずいの やだぁ 」


1時間ほどして柚奈が帰ってきて すぐにキッチンに行き食材を広げる。



「 何買ったの? あれ、これ キムチ?」

「 うん、キムチ。なんと焼きそばしちゃうからね~ 」


キムチ… で焼きそば?

どんなん?


「 味ってどうなの?大丈夫?」

「 任せてよ~ 超簡単な作り方 教えてもらったから、大丈夫!」


そう、なんだ。

私が作るわけじゃないから いっか。



柚奈がキムチ焼きそばを作り出す横で私は 口をとがらせながら 覗き見していた。


「 柚奈、それ 焼きそばセット?塩味… なぜ塩味?」



焼きそばって、ソースじゃないの?

まさか… 私を騙そうとしてるとか?

いやいや、この焼きそば ちゃんと売り物…



「 椿~ 塩焼きそば知らないなんて、今時 どうかしてるよ? いい、椿、この塩焼きそばね、肉と野菜炒めて 麺炒めて 水少々、麺ほぐすように さらに炒めて 塩味の素を入れて絡める、最後にキムチたっぷり!
赤くなるまで炒めて… 出来上がりーん 」

「 出来上がりーん!って、わぁお!キムチ焼きそばだ… 出来てるし… すごっ 」

「 これが手間いらず、簡単でしょ~ キムチは白菜入ってるしね。うちのパパなんてビール飲みながら食べてるよ 」



なんと、こんな簡単に出来ちゃうとは…