急に部屋に入れないという葵に、私は何がなんだかわからずいると、葵は俯いていた。
「 葵? なんで入れないなんて… 」
「 雅が… 兄貴の奴… 女連れ込んでる 」
「 え… 女って… 上山先生が? 今、この部屋に?」
あの上山先生が… まさか…
でも彼女くらいいるだろうし…
「 くっそ… 椿、気にすんな、帰れ 」
そんな事言われても、帰れないよ。
どうしたら…
きっと、私のしようとする事は 高校生の私たちがするべき事じゃない。
でも、夜に 外にほっておくなんて事、出来るわけがない。
「 葵、先生のその… 彼女が帰るまで うちにいたら? 何にもないけどね… 」
お隣さんだし、葵だし… 別に いいよね。
「 葵、一緒に食べよ!入って 」
「 いや、でも… 」
「 今さら遠慮するガラですか!入って、そこにいたら怪しいからっ 」
そう言うと、葵は戸惑いながら 私の部屋に入った。
は~ 男のくせに意外と固い?
真面目くんだなぁ、葵は。
「 お邪魔します… ほんとに、なんも ないんだな 」
そう言ったじゃん。
「 ベッドはあるよ~ お婆ちゃんがプレゼントしてくれたの、来て… ほらね?」
私は葵にベッドを自慢気に見せた。
「 可愛いでしょ?」
「 そうだな、可愛いよ… 椿 」
葵が私に対して言ったのかと錯覚してしまいそうだった。
不意に髪をかき上げる葵の顔がハッキリ見えてドキンッと跳ね上がった心臓に気持ちがあるなら、今のはどういう意味があって跳ねたのか知りたい。

