柚奈か雅にニッコリ笑みを見せる。


「 先生、私と椿なら どっちが好み?」

「 おいおい… 仮にも教師だぞ、冗談でも言わない。
玉木、恋する女性は誰だってキレイだぞ、何があったか聞かないが 自信を持ちなさい 」

「 自信ないから聞いてるのに… な、によう… なんで私ばっか… 一人、なの… 」



いきなり泣き出す柚奈に慌てて目の前に座りなだめる雅。


「 玉木~ なんで泣く? 落ち着け、な? 今 葵たちに見られたら 俺が泣かしたみたいだろ 」



柚奈はピタリと一瞬泣き止み 雅を見つめる。


「 ムカつく… 先生が先生じゃなくなればいいのに!」



わけのわからない事をと、雅には意味がわからず はぁ… と ため息つき 視線を柚奈からそらす。

自分の生徒が悩んでいるのを助けてやりたい雅だが、柚奈に何を言っていいかわからない。


一人問答をしていると、柚奈が大胆な行動をとった。


「 …っ!? た、玉木! 何して…」

「 先生! …お願い、少しだけ…少しだけでいいから 」


柚奈がよそ見して黙る雅に あろうことか抱きついた。

その腕を離そうとする雅に 少しだけと言って 鼻をすする柚奈。


上山家では 必ず邪魔に入る者がいる。


それは 決して悪気のある事ではなく、ただ タイミングが悪いだけ。

雅と柚奈が見た目抱き合っているかに見えるところに 悪気のない椿がノックせずドアを開けた。


「 雅くん、入るよ~……ってぇ 何してんのっ!? 」


私を見て驚く雅は柚奈にあてる手を離し上げる。

柚奈は私が来たとわかっているにも関わらず雅から離れない。


「 雅くん!?」

「 いや、椿ちゃん 違… 」



柚奈… どうかしちゃった!?

なんで 雅くんに くっついてんのよ…

何がどうなってるにしても、これは… これだけは 何となく許せない!



「 雅くん、説明出来るんだよねっ?」



さぁ、キッチリ納得いく説明してもらおうじゃないの!!