葵が出かけていて いないと知ると ガックリ落ち込んだ。
それを見ていた柚奈が突然 雅にお願いをした。
「 先生、おやつ おごってください 」
ん? なんで おやつ…
「 どんなのがいい?」
「 ケーキ!」
ケーキ? また高い物を~
柚奈のお願いに雅がどう返事するのか見ていると、雅はニッコリ笑みを見せた。
やった!ケーキ~
「 で、誰が買いに行くの?」
「 俺は外出禁止だからな~」
えっ 外出禁止?
「 やだぁ、先生ダサ~ 大人で外出禁止だなんて ないでしょ~」
また 何か 葵を怒らせたんだ…
「 はは… まぁな。ケーキは葵に買ってきてもらうから 電話する 」
葵に電話!!
「 雅くん、私がする!」
「 え~ 」
なぜかふて腐れ顔する雅をよそに、私は葵に電話をかけた。
『 椿?』
葵だぁ~…
「 うん、私。えへへ…」
『 なんだよ、どうした?』
ん?どうしたって聞かれたら 答えるよ?
葵の声が聞きたかったから…ってね。
きゃあ~ん!言っちゃう?言っちゃう?
葵に電話をかけて話す私を、雅と柚奈は 何してんだ?と 眉を寄せている。
「 ねぇ先生、椿 変だよ 」
「 確かに。しかも… 揺れてる?」
二人の事は無視して私の耳には葵の声だけが通る。
「 葵、お願いがあるの… 柚奈が来てるんだけど、ついでに夜泊まるらしいんだけど… 雅くんにケーキを頼んじゃって 」
『 ああ、玉木ね、来てんだな。雅は外出禁止だから買ってくよ。何がいい?』
んもう、優しいんだから。
「 葵が選んでくれるなら 何でもいいよ 」
『 そっか、じゃあ 椿くらい甘いやつを選ぶよ、じゃあな 』
聞いた? 今の聞いたぁ?
私くらい甘いケーキだよ?
私を甘いって…… やん、葵バカ。
「 でへへへへ 」
ルルルルルン!
「 椿~ あんた気持ち悪いよ?」
柚奈、それは違うよん。

