お隣さんと内緒の恋話


優しい笑みを私に見せてくれる柚奈。

頑張れ、その言葉が言えなかったが、柚奈の笑みを見てホッとした。



「 今も、壮真が好き?」

「 ん… 好きなんだろうな、だから 気持ちが不安定?」

「 そっか… 」



私もミルクティを飲もうと キッチンへ行くと、柚奈がついてきて冷蔵庫を開けて見る。


「 ふぅん、けっこうちゃんとしてんだね~」

「 まぁね 」


あははは、見た目だけね…


「 私、今日 泊まっていい?てか 泊まる 」


は…い?


「 泊まるって、ここに?今日?」

「 そう、今日 泊まる。明日 日曜だし 」


なんと、本気ですかい…


「 椿だけ 一人楽しいなんて ずるい!」

「 ずるくないし!」


柚奈が泊まるとなると、葵とは…


「 上山くんとラブりたかったら言って?私、そん時だけ退散してあげちゃうから~ 」


あ、あげちゃうから!?


「 じゃあ先生と一緒にいるって言うの?」


危険すぎる、あり得ないけど。


考え込む柚奈に、真剣に悩むほどの事かと 逆に考えてしまった。

でも柚奈は、いいよ と言った。

まさかと思うような事が頭によぎる。

気持ちが浮いているというなら、雅に対して恋心が芽生えるのか…

そんな一抹の不安要素が 隣に住んでいる。



「 椿、雪やんでるし 懐かしのアレ作らない?雪だるま 」

「 それならアパート裏の雪はキレイだししっかりあるから 」


楽しそうな柚奈を見ながら、私は 雅だけは恋の相手にならないでと祈る気持ちだった。


「 ねぇ、上山先生たち呼んじゃう?」

「 呼ばないから 」


勘弁してよ、柚奈さん。