突然、柚奈が連絡なしで来た事に驚き玄関をすぐに開けた。
「 柚奈~ どうしたの、急に 」
「 ごめん、上山くんとデートだった?」
「 ううん、違うけど… 入って 」
どこか元気がない柚奈を部屋に入れる。
どうしたんだろ、急に…
もしかして昨日の事かな…
「 ミルクティあるけど飲む?」
にこっと笑い頷く柚奈にミルクティを作る。
お湯を入れるだけって 私にぴったり!
「 はい、どーぞ 」
柚奈にミルクティを手渡すと、少しして話だす。
「 …ねぇ 椿、私さぁ まだ誰かと恋愛って早いのかな 」
暗っ… 柚奈 あんた しょげてない?
悲観的じゃない?
「 なんでそう思うの?」
「 ん… 壮真と別れてから なんか気持ちが浮いちゃってる気がするんだ 」
気持ちが 浮いてる?
「 加寿也さんを好きになりかけて… 結局 諦めて、圭都くんに一目惚れしたって思って… でも一晩経つと 気持ちが落ち着いてるし、勘違いかもって… 」
柚奈… なんか聞いてて 私が辛いよ…
どの気持ちも 柚奈の本心だったはず。
「 柚奈、今は どうしたいの?」
「 うん… トキメキがないし、ただ 恋したいだけだったのかな~ たぶんだけど、壮真が私と別れてすぐに後輩と付き合いだしたから 私も!って気持ちがあったのかな…」
どうしよ、泣ける…
なんでかな、泣けてきちゃう…
柚奈の揺れ動く恋心は複雑で、まだ悲しみから立ち直れていない。
悲しさに蓋をして、無理に前に進もうとしたのかもしれない。
「 ねぇ 柚奈、私、えらそうな事言えないけど…
加寿也さんや、圭都くんに対して 少しでも恋したと思うから 忘れようとかしなくていんじゃない?」
辛い別れから 一歩はちゃんと踏み出せてるんだから。

