自分の不器用さに落ち込むが、気合いで オムライスを作ってみる。
「 え~と、まずは… 具、ご飯?冷ご飯でいいかな… あ、ハムない!ウィンナーでいいかな。
で、ん~と… 炒めてケチャップね 」
一人で葵のオムライスを思い出しながら 作ってみる。
作ってみたものの、順番が違うのか、ご飯は塊があり、ケチャップの味しかしない。
おかしい… 葵のと違うんだけど。
卵も破れてるし… 何これ、最悪!
私、不器用以上かも。
何が違ったのかと、携帯でオムライスの作り方を見てみると、すべてが間違いだった。
「 塩コショウ? コンソメ… って、どんなやつ? ふわとろ卵… 出来なーいっ!!」
出来ないよ~
ふわとろ卵なんてセレブ的なもの出来ないって!
私って 庶民だもん…
そんな時 携帯が鳴った。
見れば 圭都からの電話。
「 な~によ、私は用なんかないもん 」
無視していると、続けて鳴るが 出ないでいるうち、どれだけ かけ続けてくるかと 意地悪を思いつく。
むふふふふ。
私は出ませんよ~だ!暇じゃないの~
暇だけど。
でも その後、ひたすら鳴り続ける電話に 嫌気がさしてくる。
「 も~ しつこーい!何 コイツ… 」
仕方なく電話に出ようとした。
「 もしも… ん、あっ 切れた!」
タイミング悪…
なぜか それから電話はかかってこず、しばらくして 圭都からメールがきた。
『 居留守すんじゃねぇ タコ!』
タコ!? 腹立つわぁ~
私にタコなんて言う奴がタコだわ!
腹を立てていると、インターホンが鳴った。
はいはいはいっと。
「 はい、どちら様ですか?」
「 椿、私、柚奈だけど 」
えっ!

