葵って…
見れば見るほど ダサ男なのに、ダサ男に見えないのはなんでかな…
こうしてると 何がどうダサいのか わかんない感じ。
だって、あのうっとうしい前髪とか切ってサッパリしたら 上山先生と同じイケメンなのに…
「 葵、その髪って くせ毛?パーマ?」
「 くせ毛。気になる?」
「 ううん、そうじゃないけど… 」
ほんと もったいないな。
髪だって短くして 上山先生と同じ顔出したら、女子達が 手のひら返して騒ぐよね…
そうなったら、私となんて話してる暇ないだろうな~
なんだかんだ思いながらコンビニに着くと、葵がカゴを手にして私に話しかけてきた。
「 デザート?」
「 そうだね、甘いの食べたいかも 」
「 カゴに入れて、俺野菜ジュース取ってくるから 」
え、野菜ジュース?
コーラじゃなくて?
意外すぎる…
私はデザートの置いてある棚に目を向け どれにしようかと悩んでいるところに葵が横に立った。
「 悩みすぎ 」
「 いいの!シュークリームとエクレアどっちがいいと思う?」
そんな私の問いに葵は眉をピクリとさせた。
まるで、どっちも同じだと言いたそうな顔をしていた。
「 両方入れな、それなら悩まない 」
「 お~ 葵って なんか すごい! 二度おいしいのを選ぶわけね 」
「 それで悩まれるよりマシなだけ 」
あ、そう?
でも、それ私が払う…
「 あっ!! 葵、私 財布持ってきてない!ごめん、立て替えてくれる? 帰ったらちゃんと払うから!」
「 いいよ、貸し5つね」
えっ… 嘘でしょ……
また貸しになるわけ?

