お隣さんと内緒の恋話


「 柚奈はあんたを気に入ってない!私が無理に誘ったから来ただけし、教えるわけないでしょ!
だいたい無理矢理カップリングにしてるじゃない!」

「 なっ… 俺をバカにすんな!」


原瀬と香伊羅は言い合いを始めてしまった。

廊下を通り行く若者や店員には カップルのケンカにしか見えず 誰も止めない。



「 ちょっと ほんと やめてよ!私があんたを選ぶわけないでしょ!」


怒る柚奈に原瀬も怒り出した。

ちょっとした騒ぎになる柚奈たちに、圭都も耳にして気づく。

様子を見ようと 部屋のドア、マジックミラーから覗くと、椿の言う通り柚奈がいた。


「 なんだよ、マジで揉めてんじゃん… 」


見ていた圭都が出ていこうか迷う中、原瀬が柚奈の肩辺りの服を掴む。


「 何がそんなに嫌なんだ!!」

「 しつこいから嫌だって事わかんないのっ!」


原瀬の掴む手がグッと力を入れてきた。


「 離しなしてよっ!」


振り払うも離さない原瀬に、見ていた圭都が ため息つく。


「 …俺って、損な役回りか? おい、悪いけど 俺 帰るわ、ヤボ用で 」


はいはい と気にしない圭都の友人たち。

圭都は気にせず部屋を出て、何も言わず 柚奈と香伊羅のそばに行くと 柚奈を掴む原瀬の手を握り引き剥がす。

突然現れた見知った圭都に柚奈は驚き、原瀬も驚いている。



「 あ、あんた… 椿の… 」

「 お前、2年の市橋っ 」

「 椿のってのはちょっと違うし、確かに市橋だけど お前呼ばわりされたくないね、じゃ!」



柚奈の手を繋ぎ香伊羅にも 行くぞ と言って原瀬の前から立ち去る圭都。

何がなんだかわからない香伊羅は 圭都の後を着いていく。

原瀬は圭都に向かって肘を掴んだ。


「 なんだよ、離せ!」


瞬間、原瀬は圭都に手首を掴まれ悲鳴をあげた。

何が起こったかわからない柚奈と香伊羅。


「 ったく、なんだって俺が… 」


めんどくさそうに言う圭都は原瀬を無視して 柚奈と香伊羅を連れて行く。