葵がお粥を作り終えて 雅の部屋へ持っていく。
私と柚奈はリビングで加寿也のそばに座る。
葵が入れてくれたミルクティとお菓子を食べながら話していると 柚奈がくしゃみを連発し、帰した方がいいかと考える。
加寿也さんいるし 帰らないだろうな…
雅くんの菌が充満してるんだけど 大丈夫かな?
「 柚奈、寒い?」
「 暖房入れるよ 」
葵がエアコンの暖房を入れてくれたが 柚奈が またくしゃみをした。
「 柚奈、雅のもらったか?」
「 え、まさか~ バカは風邪引かないもん 」
バカはって… 最近 風邪ひいてたじゃん。
「 柚奈はバカじゃないだろ 」
そう言った加寿也が おもむろに柚奈の額に手をあて、次は首筋にも手をあてた。
言うまでもなく、熱があるか見ただけの加寿也に対し、柚奈はないはずの熱を持ってしまった。
赤い顔は単なる熱か、恋の始まる熱か。
私よりも柚奈本人が感じわかる事。
「 玉木、兄貴の移ると厄介だから そろそろ…」
私も同感。
溶連菌は飛沫感染だし、厄介だよ。
「 柚奈、帰る?」
「 ん~… 」
帰りたくないのは わかる。
「 明日学校行ったら土日だし、また…」
「 でも…」
まだ帰りたくないか… どうしよ…
「 夕飯食ったらでいんじゃね、俺が送ってやるし 」
加寿也さん、優しいね~… って 柚奈が喜んでるし。
は~ 柚奈は加寿也さんに完全に心奪われたよね…
先々 大変だ…