お隣さんと内緒の恋話


キッチンで柚奈か鍋に水を入れる。

私は卵をボールに割り入れ溶く。


「 柚奈、わけぎ?切って 」

「 椿がやんなよ、わけぎなんて切ったことないし 」


え~ 私にやらせるつもりっ


「 私もない!で、何切り?ざく切り?」

「 ざく切り?でいんじゃないの 」


ざく切り… ざくっとだね。


柚奈と話ながら わけぎを適度に切り、皿に入れておく。


「 椿、お湯沸いたけど ご飯どんくらい入れる?」


ご飯をどんくらい? ん~…


「 雅くん たくさん食べるかな?」


その辺どうなんだろうかと 菜箸を手に考える。

私はたくさん食べられるようにと、炊飯器から釜を出して 鍋に入れようとした。


「 おーっと!待て待て、ストップ!」


え?


どこで見ていたのか 葵が私から釜を取り上げた。

さらには リビングで加寿也が笑いをこらえているのが見える。



「 椿~ 危ねぇ… 」

「 葵、どうしたの?」


私は葵と柚奈を交互に見た。


「 椿ちゃ… んぶ… あ、ダメだ… ぁははははははは!」


なに… 加寿也さん なに!?


「 あの、なんで笑うの?かな… 」


私が加寿也に向けて聞くと、隣で釜を持つ葵までもが笑いだした。


「 椿… お前… ぶっ… 釜ごとご飯入れようと? ははっ、ダメだ… 」


葵と加寿也の笑い合唱が響く中、私は 一人ムッとした。


「 椿、お釜ごと鍋にご飯は無理だよ… 先生も そこまで食べれないよ?」



だからって そこまで笑うかなぁ

葵、笑いすぎっ!