悲しげに言う雅を見て 私は自分が病気になった時を思い出す。
ママは必ず居てくれて呼んだら来てくれるし、果物やお粥に うどん… 優しかったなぁ
「 雅くん 子供みたいだね~ しょうがない、私が お粥作ります!」
作ってやろうじゃないの!
「 椿? 」
お粥なんて 米と水があれば出来る!
「 椿ちゃん?」
簡単に決まってる!
「 葵、キッチン使わせてねん 」
んふふふ。お粥が作れなくてどうするってもんよね~
「 椿、本気か? 俺がやるから… 」
「 椿ちゃん 葵に任せろ!」
葵と雅が止めようとするのを聞かない私は 雅の部屋を出てキッチンへ。
部屋を出た瞬間、柚奈は加寿也にくっついて顔が見えず、加寿也が私に笑みを見せる。
柚奈、あんた何してんの!?
一応 ここ、先生の家ですけどっ
「 もしもし、柚奈~?」
ビクッとした柚奈は そ~っと私に振り向き、苦笑いする。
「 あ、はは… 椿~ 先生はいいの?」
ごまかしちゃって!
「 柚奈、ちょっとおいで。私とキッチンにいらっしゃいな 」
「 え、え、なに、え?」
加寿也から離れたくない柚奈を知りながら引き離して私は柚奈とキッチンに立つ。
炊飯器にご飯があるか確認して、冷蔵庫を見る。
「 卵あるし~ ネギかな これ… わけぎ?緑だからいっか 」
「 ちょっと 椿~ 緑だからいいって わかんない!
何するつもりなの? 私は加寿也さんと…」
なぬっ 加寿也さんと?
「 加寿也さんと何かなぁ? 何かって 何かなぁ?
ここは上山先生宅で~ 熱でどうかなっちゃってるんだけどな~ 」
柚奈を横目細く見つめて言うと、柚奈は眉間を寄せて嫌そうにする。
「 わかってます!でも、せっかく加寿也さ…」
「 柚奈!加寿也さんは置いといて、今は お粥を作んのよっ 」
「 あ、なんだ お粥… で、なんで私も?」
「 加寿也さんとまだいたいなら作るしかないよねぇ 加寿也さんに好感度アップのチャンスよね 」
って言えば…
「 やる!やるわ、任せて!」
んふふ、言うと思った。

