柚奈が言い出した事に私と葵は微妙に食欲が減り、柚奈はしっかり食べて なぜか ごきげん。
そして加寿也が会計してくれて お礼を言って店を出た。
「 椿、先生ん家は行った事あるでしょ? なんかドキドキするよ~」
「 あのさ、柚奈… 実はね… 」
加寿也の車に乗ると 柚奈に一人暮らしを話そうとした。
しかも、お隣だということ。
「 柚奈、話したいことがあるんだ… 」
「 うん、なに?」
うまく切り出せない私に対し、アパート前に着いてしまった。
ん~ 着くの早いよ、加寿也さん…
けど これてハッキリ話せる、そうするしかないもんね!
加寿也の車を降りて、葵が私の頭を 大丈夫か?と小声で撫でて言う。
うん、と頷いた私。
「 葵、先に行ってて すぐ行くから 」
「 鍵開けとくし 来いよ 」
葵は加寿也と自宅へ、私はついていく柚奈の手を取り引き止めた。
「 椿、行かないの?先生ん家…」
「 行くよ、その前に 来て、柚奈に話したいことがあるんだ、遅くなったけど… 来て!」
私は柚奈と一緒に玄関先に立って鍵を出した。
「 先生ん家 隣だよ?」
「 うん、知ってる。よく行くから… 」
キョトンとする柚奈の前で、私は鍵を見せて玄関を開けて中に入る。
「 何… 椿、ここ…」
見回す柚奈に私は素直に答えた。
「 私ん家だよ、最近 一人暮らし始めたの。
実はね、ママがオメデタでさ… 私 おばあちゃんに話して 一人暮らしさせてもらってんの。
何かと条件付きだけど 」
「 マジで~!!やだ、早く教えてよ~ 事情はなんとなくね、羨ましいけど、大変じゃない?」
「 ん~ 平日は おばあちゃんとご飯で、葵も一緒に。先生は あんまり。でも パパが 安心してたかな、お隣が先生で 」
「 なるほどね~ で、上山くんとイチャラブ真っ最中なわけね?あは~ん 」
変な笑いで納得しないの!
もう~ でも 話せて良かった。
「 柚奈、しばらく笑里と香伊羅に内緒にしといてね 」
「 え?なに~ 聞こえな~い 」
こら、頼むよ 柚奈~
笑う柚奈に約束させて 隣の葵宅へと行った。

