注文をしてから葵の携帯がメールを何度も知らせては 葵は見ない。
私と柚奈は3回以降にしてメールが気になった。
「 葵、メールでしょ? 見ないの?」
「 見ない。雅だから 」
雅くんから… なのに見ないの?
「 上山くん、先生 寂しいんじゃない?」
それはあるかもね、なんせ今 一人だもん。
何度も雅から入るメールを無視している葵、次は加寿也の携帯が鳴り出した。
「 加寿也さん、鳴ってるけど…」
雅くんだよね、絶対。
「 いいよ、あいつはほっとけばいい 」
ほっとけばいいって… 一応 病人。
いくらなんでもと思うが病人は外には出られない。
「 ねぇ椿、上山先生どうかしたの?」
「 うん、熱があってね 」
「 椿ちゃんだけだよ、あいつを心配すんの。どうせ 女にメールとかしてるだろ 」
お~う、柚奈の前でその話はっ!
柚奈にしたら 当たり前にイケメン先生だもん、本当の雅くん知らないし!
「 へぇ 上山先生 彼女いるんだ~ カッコいいもんね~」
違うよ、まったく違うから!
でも あんな雅くん見せたくないな。
って言うか言えない…
「 ねぇ椿、せっかくだし先生の お見舞い行こうよ~ 上山くん行ってもいい?」
げっ!! 何を言い出すのよっ
柚奈の思いつきに私は葵を見て目で訴える。
ダメって言って 葵!お願いぃ…
葵は私の言いたい事がわかったようで 柚奈に断ろうと口を開くところで加寿也が先に口を開いた。
「 いんじゃね?柚奈一人くらいなら 」
は… はあ? 加寿也さん 何を言うのよ~
って言うか、私の一人暮らしも話す前にバレるじゃん!
加寿也に言われては葵も否定できず、私も唇を噛むようにして苦笑した。
「 玉木、兄貴は熱のせいでおかしいから気をつけて 」
葵は柚奈にそう言った。
その意味に私も内心 納得した。

