お隣さんと内緒の恋話


柚奈ってば、もう… ハート舞ってるね。



「 俺は和食が食いたいから… 葵は?」

「 肉、雅の看病は疲れるから 」



葵… そんな大変なの?

まぁ、わかるけど。


「 だな、君らは?食べる?」

「 私は~…」

「 はい!食べますっ 」



んっとに 柚奈はっ!!

加寿也さんがいると人格違うんだけど!

朝カフェセット食べてから まだ1時間半しかたってないのに~



「 椿は?」

「 私は さっぱりしたデザートにする 」

「 じゃ、俺の肉少し食べればいいよ、スパも頼むつもりだし、どれがいい?」



葵、優しいっ スパ選ばせてくれるなんて…好き。


私と葵がメニューを見て スパとデザートを話ながら選んでいるのを柚奈が 見つめていた。

そんな柚奈に気づいた加寿也さんが柚奈に話しかける。



「 柚奈、どうした?」

「 え… あ、うん… 椿と上山くんが仲がいいなぁと思って。上山くんが椿をよく見てるし、羨ましい…」

「 羨ましいか… 人を羨むより自分が幸せになればいい。それに、羨ましいを妬ましいや悔しいには変えるなよ?
気持ちひとつでどんな絆も歪むからな… 」



耳に聞こえてくる加寿也の話は 笑顔で葵と話す私たちに ズシッと重みがかかった。

大人の言葉は私たちの口にする言葉とは比べ物にはならない。

そんな実感があった。


加寿也は和風懐石弁当と同じものを柚奈も頼み、小鉢だけは選べて中身が違う。

葵は竜田唐揚げと私の選んだ和風キノコのあんかけスパと、レアチーズケーキを頼んだ。



「 柚奈、食べれるの?」

「 大丈夫~」



どこが大丈夫なんだか…

あ、でも 柚奈 下痢してたんだっけ。

なら食べれるかな?