私は 葵に ふと思ったことを口にしてみた。


「 上山先生があんなにモテるんだもん、上山 葵はモテたくないの?」

「 別に… 好きな奴が俺だけを見てくれてれば 文句ないし、モテなくていい 」


サラッと カッコいい事言っちゃって!

意外と しっかりさんだなぁ…


「 椿は? なんで彼氏いないの?」


なんでって…

私が聞きたいんですけど?


「 好きな人いないもん… 無理に付き合って別れたり嫌なとこ知ったりは嫌だし… 好きな人いなくても 今は一人を満喫したいから 」


言ってて ちょっと寂しいのは気のせいかな?


「 寂しいな、それ 」

「 う、うるさい!いいでしょ 別に!ほっといてよ 」


なによ、自分だっていないくせにっ


そんな話をしていると私の携帯が鳴り出した。


「 お婆ちゃんだ!…はい、お婆ちゃん?……うん、わかった、行くね 」


電話を切ると葵に玄関に向かいながら言った。


「 ご飯、出来たって。行こっか、葵 」

「 え… 」


言った… 呼んじゃった!

先生の言うとおり 喜ぶのかな?


私は葵をチラリと見ると、顔の見える範囲の鼻から下が赤くなっていた。


おお?

うわ、照れてるっ!?

なんだ、可愛いとこあるじゃないの。