お隣さんと内緒の恋話


核心を話したわけじゃない。

女同士、はっきり言葉にしなくても伝わるものもある。


たぶん…



「 えーと… そんな流れに身を任せ…的な?」

『 なんか椿のくせに~ 先越されるの嫌だ~ まぁ、許すけど。恋ってさぁ 複雑だよね~!』


そうだね、うん。だからいいのかも。


「 またね、柚奈 」

『 またね~』


電話を切ってからしばらくは YouTubeで しっとりバラード系の音楽を聴いたりしていた。


葵、遅いな…

病院も時間外だろうし、大丈夫かな…

ベッドに移動すると、ハッとした。

乱れたベッドを見てドキッとした。


私… ほんとに葵と……


でも、あんま記憶ない… よね? けど… んへへ。



ドクンッと跳ねる私の気持ちが舞い上がる。

見つめる先には葵しかない。

心音がうるさくて、妙に落ち着かない。

そんな時、メールを知らせる着信が鳴った。


「 ひゃあっ!ビビ、ビビった… あ、葵だ 」


あ~ ビックリしすぎてトイレ行きたいっ


トイレにも携帯を持ち込んでメールを見てみると、雅の事だった。


ん~と、雅くん 溶連菌!?

なんじゃそりゃ…

溶連菌って確か子供の時 かかった病気…

ママが気づいた時にはひどくて入院したんだっけ。

まさか雅くんがなるとは…



「 誰に菌もらったのよ…」


雅の病気は溶連菌だった。

幸いにも軽い方で抗生剤を飲めば治るが、しばらくは学校を休まなければならない。


翌日は運良く祭日。


葵は雅が無理しないようにと、また 女が来ないようにと見張ると言っている。

そして、私に移らないようにしたいからと。


寂しい事 言わないでよ…

葵だって移るかもしんないのに。

は~……

せめて差し入れくらいはしよっと。

まぁ、私とか?

なんてね、甘いデザートにしよ。

で、私も?


ってアホか 私はっ!


でも葵には会いに行っちゃお。