恋って謎だと思う。
マジックのようにタネ明かしがない状態。
柚奈は あんなに壮真を思って泣いたのに、今は大人の加寿也に惹かれている。
それは柚奈と話していて確かだとわかった。
『 椿、壮真は後輩と付き合ってるでしょ… 壮真に対抗意識はないの、でも、傷ついたままは嫌…
加寿也さんに癒しを求めてもバチは当たらないと思うの 』
柚奈、でもさ…
「 壮真は ひどいと思う… 柚奈は加寿也さんを好きになりかけてるんでしょ?
それって、壮真と別れた事がキッカケだよね…
でもね、私は柚奈に あんな思いはしてほしくない 」
だって、加寿也さんは きっと聖奈さんを
を忘れてないはず。
プロポーズする相手と別れた加寿也と、高校生のカップルが別れた事とは恋と愛の違いがある。
それがわからない年頃の私たち。
それでも恋する気持ちは加速する。
恋する私たちを止めることは出来ない。
『 壮真を見ると辛いよ、嫌いじゃないから…
今でも好き。でもね、椿、私 今は加寿也さんが うんって言ってくれる限り甘えたいの… 』
柚奈… わかるよ、うん。
結果はわからないけど、柚奈がそうしたいなら。
「 いんじゃない?お兄さんに甘えるみたいに甘えて困らせちゃいなよ、私はいつでも 柚奈の味方だからさ 」
これでいいよね。
なんか、私 泣きそうっ…
『 ありがと、椿。で、椿はどうなの?上山くんと 』
来たな! 絶対聞くと思った。
でも なんて言えば… どう話せばいいかな…
『 上山くん、椿 大好きだよね~ 私より先に…なんて許さないよ?』
うっ…
ごめん、柚奈っ もう手遅れ…
「 あの~… ねぇ なんと言いますかねぇ… 」
『 …嘘でしょ、なによ!? その言い方 怪しいんだけどっ 』
「 まさか~ そこまで大人じゃないよ~ 」
あはははは…
ごまかしちゃうよね?

