隣の葵と雅宅では、葵が雅の部屋に入っていた。
「 おい、雅… 」
ベッドに方膝つき、雅を覗き込む葵に 目を開ける雅。
「 よう、葵… 」
「 お前、椿に何しやがった… たかが高熱ごときに 椿を騙すな!」
「 高熱も病気の一種だ、騙してないよ 」
雅を睨み見る葵に、雅は上半身を起こそうとして、葵が首もとを掴む。
「 わざとだろ、他の女の名前なんか言いやがって… 椿で遊ぶんじゃねぇっ!」
「 なんだ、やっぱ葵だな… 遊んでるつもりはないよ、椿ちゃんが 可愛いから ついな…」
「 つい、だと? つい キスを誘発させたわけかよ! 弟の女に手出すなっ!」
悪かったと 謝る雅に笑みがある。
そんな雅を信用していない葵は 薬箱を雅に渡し部屋を出た。
部屋で天井を仰ぎ見る雅は呟く。
「 キスじゃないんだから いいだろ 別に…」
葵は気が静まらないまま自分の部屋で拳を握っていた。
葵なりにショックで椿に何も言えず帰してしまった事を後悔していた。
その頃の私は泣き止み 涙の跡がついた顔を流すため、シャワーを浴びていた。
なにしてんだか…
看病してたはずなのに、バチ当たりだよ…
私が葵の立場なら 悲しいしムカつくし、たまんないよ…
いくらアクシデントでも…
「 うっ… ふえっ…」
ごめんね、葵…
私は 葵のだよ、全部… 葵のだよ…
落ち込みながら浴室を出ると、玄関をノックする音に、インターホンが鳴っていた。
私が返事すると、玄関を挟み言ったのは葵だった。
「 椿!俺… 玄関開けてくれ 」
葵……

