お隣が葵だと知って驚き、さらに 両親がいないとの事実に驚き、極めつけには イケメンで有名な上山先生が ダサ男、葵のお兄さん。

名字からして なぜ誰も気づかず疑わずだったのか 不思議でたまらないが、見れば明らかな事がある。

単純に先生はイケメンで、葵はダサ男。

見た目正反対すぎて誰も気づかなかっただけの事。

開いた口が閉じず 喉が乾燥してしまいそうだった。


「 葵!ラグ買ったから引いてくれ!」

「 雅がやればいいだろ、俺は他を片付ける 」


雅? あ、そっか、上山先生の名前って たしか、雅…

兄貴って呼ばないんだ…


「 織原、手伝ってくれ 」

「 は? なんで私が… 私も引っ越し途中なんですけど 」

「 知ってるが、こっちが終わったら葵を貸すから頼む!ラグ出すから 車のトランク開けといてくれ 」


はい!?

上山先生って、こんな感じだったっけ?

なんか、学校とイメージが…


「 椿、悪いけど 来て!」


上山 葵… あんたまで…


「 もう、わかりました!手伝うから 上山 葵も手伝ってよ?約束だからねっ 」


自分の引っ越しもあるのに…

なんでこうなるかなぁ!

ほんと、なんの縁よ……


私は先に雅に言われた通り、ラグを出すため車のトランクを開けた。


「 織原、葵をフルネーム呼びしてんのか?葵って呼んでやれよ、喜ぶからさ 」


喜ぶ!?

葵って呼ぶと喜ぶの?