なぜかわからないが、私はトレーナーにミニスカートを履いて葵宅のインターホンを鳴らした。
無意識とは都合のいい解釈だと思う。
女の武器とも言えるミニスカートを わざと履いているのだから。
もちろん、意味なく下着まで替えた。
その理由は恋してるから。
葵の意識、視線、気持ちを私にだけ向かせる必須的な服装のひとつがミニスカート。
甘いラブな時間を過ごすために、半ば やらしくも可愛らしさのある私に仕上がる。
「 …女って、男よりオオカミに向いてる?」
そんな私のたわいない呟きのあと、玄関が開いた。
「 葵… 眼鏡、取ったの? 髪も… 」
ドキドキが一気に押し寄せ、さらにドキドキ。
なんで いつもの葵じゃなくて、イケメン葵になってんのよ~
私が襲っちゃいそうだよ!
「 和菓子と緑茶用意してあるから、入って 」
和菓子と緑茶?
私、お客様なの?
葵の部屋に入ると、机には和菓子と緑茶がある。
ほんのり甘い和菓子の香りに、熱い緑茶のいい香りが 安堵と落ち着きをもたらす。
何となく特別感を感じる。
「 美味しそう~ …着物着てないけど いい?」
「 ハハッ なんで、いいよ? 緑茶、熱くて平気?」
そんなの、葵が入れてくれたんだもん、平気に決まってるし。
舌をヤケドしたら… 葵が診てよね?
緑茶をズズッと一口飲むと、食道を降りていく緑茶の熱さが身にしみてホッとする。
「 葵、熱い緑茶も けっこう おいし… 」
喋り終わる前に、私の口は塞がれてしまった。
葵のキスは、緑茶を飲んだせいか熱さが残る唇。
ん…
葵っ……
交わすだけのキスにも進化があり、ちょっとだけ舌を絡ませるキスになっていた。
それだけでも 大人になったようで、甘さ加減がコントロールできない。
「 椿… 」
そんな我を忘れそうなキスに、突然、背中に入る葵の手に驚き、体が硬直した。
えっ!? 葵の手が、服の中に…

