「 光國くん、香伊羅をよろしくね?私たち行くから…」
「 よろしくね?って… 」
照れる光國をよそに、ふと香伊羅を見れば なぜか顔が赤らんでるように見えた。
んん? なんか 香伊羅、変…
まさかねぇ って思うけど、まさかね…
「 またな、上山、織原 」
「 椿、またね 」
二人と分かれた私と葵は自宅の方へ歩きながら 話をしていく。
「 椿、勘だけど… 瀬部も まんざらじゃないんじゃないか?」
「 それは~ 香伊羅が光國くんを好きって事?」
さっきは一瞬そう思ったけど…
葵も 同じ?
「 まぁ、それならそれで うまくいけばいいよな 」
「 そうだね 」
香伊羅は好きな人いるような感じはしてたけど、まさか光國くんとはね…
「 今日どうする? 今から 」
やだぁ 葵ったら。
今日どうする?ってか、決まってますよ~
葵との時間を まったりゆったりラブを組み込んで過ごしたい!
例えば キス?とか… んなははは。
「 椿? 顔が変だぞ 」
「 変!! 顔が変ってなによっ 」
「 冗談、じゃあ着替えたら 俺ん家な 」
はい、行きます、行きます~
自宅の前まで来ると、葵が私に向き直り見つめてくる。
「 待ってる 」
葵…
キューンと、ドキドキも越えて、バクバク飛び跳ねる心臓に、収まりはつかない。
待ってる なんて言われたら どうかしちゃう。
恋してるって、心臓に毒だよ!
甘すぎる毒だよ!
「 は~… ふう~… 落ち着け、私~ 」
落ち着こうにも落ち着くわけない気持ちに押し潰されそうだった。

