「 揃うもんだね、意外と… どうする、椿 」
香伊羅… 葵、どうしよう。
柚奈が加寿也さんと ここに来るなんて…
タイミング悪く、話の当事者が私たちの目の前に来てしまった。
楽しそうに話す柚奈と、優しい目で柚奈を見ている加寿也。
手を繋いだり、腕を組んだりしてないが、二人は明らかに いい雰囲気なのがわかる。
「 葵… どうしよう 」
こんな鉢合わせって アリ?
先に加寿也が私たちに気づき歩きを止め、柚奈が加寿也から視線を私たちに向ける。
私はすぐさま手を振る。
つられて柚奈も、香伊羅も振っている。
加寿也と一緒に近づいてくる柚奈に 壮真が一歩前に出た。
私もそれに反応し前に出ようとしたが、葵に止められた。
どうして、葵… 柚奈が、壮真が何言うか…
緊張感が走り、柚奈が壮真に声をかけようとしたのがわかった。
でも、それと同時に壮真が声を強くして言った。
「 柚奈、何してんだっ」
「 何って… 壮真は 彼女とデート?」
加純を見て言う柚奈に、加純は動かずいた。
「 そういうお前は?えらく大人な彼氏連れて こんな商店街でなに買ってもらうんだ?」
壮真の言う事に カチン!ときたのは私だけでなく、香伊羅もだった。
言われている柚奈は私から見ても冷静だった。
「 何も… ただ 寄っただけだけよ。それに壮真には関係ないでしょ 」
強きな言葉に聞こえたが、私には わかる。
柚奈は感情を抑えているだけだと。
すると香伊羅が おもむろに口を挟んだ。
「 あの、あなたは柚奈と付き合ってるんですか?」
聞かれた加寿也は口元に笑みを見せ、柚奈の肩を引き寄せた。
「 柚奈は… 」
何を言うつもり、加寿也さん…

