お隣さんと内緒の恋話


心配する香伊羅に、光國は何がなんだかわからずいるだけ、壮真と私は半睨み合い。



「 …私が、ひどい? あなたさ、壮真の何を知ってて 壮真の別れた彼女の何を知ってて、私の何を知ってんの?
そんなベタベタして… 壮真が彼女と別れた理由知らないの?」


柚奈を思うと どうしても口が悪くなる。

私は口出して止まらなかった。

何も知らず、柚奈が隣にいたはずの壮真の隣に 私をひどいと言う加純にムカついた。



「 椿、もう いいじゃん。柚奈には年上彼氏いるんだしさ~ 」


香伊羅も思うとこあるのか、加純に食って掛かる私にそう言った。

でも、私よりも香伊羅の言葉に反応したのは 壮真だった。



「 香伊羅… それ、どういう事だよ? 柚奈が年上の彼氏って なんだよ!」


はは~ん、別れても気になるんだ。


「 壮真、あんたには関係ないわ。何せ、柚奈をフッたのは誰だったか… 気にしないで?」

「 椿!お前っ…」

「 壮真先輩!やめて 」


そうそう、やめなよ、やめなさい。

今さら 柚奈を気にするなんて 遅いのよ!

しかも彼氏じゃないってのに、そんな話で顔色変えるくらいなら なんで…


「 なんで別れたの! もう壮真の彼女じゃないんだからねっ 柚奈が誰とどうしようと 自由なんだから 」



私の怒りなんて ほんとは どうでもいいのかもしれない。

それでも 言っても全然足りないくらいだ。

香伊羅も頷き言う。



「 壮真はさ、今 彼女いるじゃん? 柚奈だって 壮真が思うほど いつまでも 未練持たないよ?」


眉間を寄せ目線が下を向く壮真。

話がわからない光國が葵を見て その後ろを見て指差す。



「 あ… 上山の後ろ… 瀬部、織原、後ろ!」

「 なに、光國くん… 後ろって 」



その場にいる私たちが光國の指差す方を振り向くと、目を疑った。

名前を口に出したのは、壮真。


「 柚、奈…?」


嘘… 柚奈! ?

加寿也さんも!



私は思わず葵の制服を握りしめた。