お隣さんと内緒の恋話


鈍感と言われたら それまで。

葵はなぜわかったのか気になり聞いてみようと思う。


「 葵、光國くんが香伊羅を好きって なんで?
光國くん、そんな素振りなかったような気がするんだけど 」



香伊羅は たぶん、光國くんじゃない人が好きだと思う、うん。


「 なんでって… 焦ってたし、瀬部を見る時の目?かなぁ 」


そんだけ?

葵は男だし、男目線はわかりやすいのかな…

ん?待てよ~…



「 葵さ、もしかして 私を見る時の目って 特別だった?」


ずっと好きだったって言ってたよね。


「 …… 」


お? ちょっと~ 葵、照れてる!

顔 赤くないすか?


「 葵~ もう聞かないから~ 」

「 聞くな、マジでやめてくれ 」


えへへへへ。やっぱ嬉しいなぁ。


繋いでいた手を離して腕を組みニタニタしている私の頭を軽く こずく葵。


「 そろそろいいか… いくぞ 椿 」

「 え、どこに?」

「 偵察 」


偵察!? まさか! 香伊羅と光國くんを…


「 葵、尾行しちゃうの?」

「 気になるだろ?あの二人 」



確かに、光國くんが香伊羅を好きなら 二人でいて何かあるか見てみたい。

ウズウズと得たいの知れない好奇心が私を笑顔にさせた。



「 気にならないって言ったら 嘘だよね~ 行く!」

「 ちょっと走るぞ?あ、待った。あいつら どこで買うと思う?」


あ、そっか… プレゼントだもんね…

香伊羅なら~ あそこかも!



「 私わかるよ、香伊羅の好きな雑貨屋があるの 」

「 デパか?」

「 まさか、うちの団地の家向こうに商店街があるの、そこにある雑貨屋だよ!行こ、葵 」



私たちは方向転換し、香伊羅と光國を追った。