校門で香伊羅を見送り 葵と帰ろうとすると、後ろから走ってくる人がいた。
「 あ~ いない、逃がした…」
逃がした?
「 おい、光國 どうした?」
「 上山… 織原も… 瀬部 見なかった?」
瀬部って、香伊羅じゃん。
「 香伊羅なら今帰ったけど 」
「 ああ……」
うなだれる光國を私と葵は どうしたのかと見ていた。
そんな落ち込むの?
「 香伊羅に用事なら電話しようか?」
「 織原、上山、暇か?」
は? またなに… やな予感するんだけど~
私は葵を見上げて見た。
葵も私を見ているが、光國が私と葵を見ているのか視界に入り苦笑して 諦めるしかないと悟る。
葵との時間がぁ~
なんでこうなるの…
何やら困っている様子の光國のために私は帰っていった香伊羅に電話をすると急いで戻ってきてくれた。
「 光國くん!ごめーん 」
ごめん?って、なんで…
「 瀬部、付き合ってくれる約束だったろ 」
は、え?
「 うん、ついさっきまで忘れてたぁ 」
香伊羅が光國くんと… マジで?
どうなってんの?
「 ついでだから 椿と上山くんにも来てもらおうよ 」
えっ!!
光國にも同じように言われ、香伊羅にも言われて私と葵は顔を見合せ 首を傾げた。
この二人についていくしかない選択に、葵との時間はお預けになってしまった。
毎回毎回、なんでこうなるかなぁ…