雅に邪魔された私と葵は 雅にムッとしながら 自宅に帰った。



「 も~ 雅くんはどうして あんなに タイミングいいわけっ 」


少しくらいイチャついたっていいじゃん!

まぁ、昼間 ちょっと… キスはいっぱいしたけどさ。



急に思い出せば 自然と唇を指で触りなぞる。


「 やぁだ~ ちょっと、私、なに~ はぁ 葵のキス… 思い出しちゃったじゃーん!」


ひえ~ 恥ずかしっ



着替えを持って浴室に行くと、熱いシャワーを浴びて 少しテスト勉強をする。


ん~ 明日も頑張って 赤点だけは避けよう。


夜 12時を回る頃、携帯のメール着信が鳴った。


え、誰?


「 柚奈… んん?マジっすか…」


そう口に出てしまう柚奈からのメールの文面。


『 椿、私… 加寿也さん いいかも。恋かわかんないけど、壮真を忘れられそう 』


そんな文面だった。

ベッドに入り、柚奈と壮真を思う。

友達だから 二人には別れてもいい関係でいてほしと願う。

恋も、してほしいと思う。

私が葵に恋してるから よけいに そう思う。

翌日、朝からテストを終え、午後の帰宅時だった。

柚奈が一人校門に駆け出して行ったのを 私は香伊羅と急ぐ柚奈を追った。

門には葵が私を待っていて、その先には 目を疑う光景があった。


「 葵!ねぇ あれって…」

「 だな、あの車はそうだな 」

「 なに?なによ、椿 ねぇ、なに?」



私と葵、香伊羅の目の前で 柚奈は加寿也の車に乗り込んでいた。


柚奈… まさか、加寿也さんに本気じゃないよね?


「 椿~ 柚奈 誰の車に乗ったの?まさか彼氏出来たの?」

「 ううん、まさか… 」



香伊羅、違うよ…

でも、私もわかんないの。



走り去る車を見ながら、妙な緊張感を抱いた。

誰がいつ恋するかなんて 誰にもわかんないよ…



「 椿、友達だろ?見守ればいいよ 」

「 うん…」


そうだね、葵。そうしなきゃね…