お隣さんと内緒の恋話


二人の初顔合わせならぬ互いの紹介が済んだところに料理とデザートが運ばれてきた。

私と柚奈の前には 豪華なフルーツ添えパンケーキセット。

ファミレスとは違うデザートに笑顔になる。



「 いただきます!」


私と葵は時おり目を合わせながら笑みを交わしていた。

加寿也と柚奈は会話している中で なんとなく浮いている雅が先に食べ終えた。

ふいに加寿也と柚奈の会話に耳を傾ける。



「 柚奈ちゃんはなんで彼氏いない?」


それ聞いちゃダメよ、加寿也さん!


「 実は つい最近 フラれて… 不安から束縛しちゃって、それで」


柚奈、言わなくてもいいのに。


「 なるほどね、若い時はそんなもんだ 」

そういうもんなの?



「 加寿也さんは?」

あ~ 柚奈、加寿也さんも最近 聖奈さんと別れたんだよ…



「 俺か… 雅と取り合った女がいて、プロポーズ考えてたけど、雅に未練あるのわかって 結局 別れたな 」



あ~ そんな ハッキリと… 重いよ、その話は。

大人事情は 重いよ…


チラリと雅を見てみれば 柚奈も見ていたのか ニッコリ笑みを返していた。


「 柚奈ちゃんはまだこれからだからな、いくらでも恋すればいい 」


さすが大人。


「 じゃあ 次 恋する時は 加寿也さんみたいなイケメンな人にします!」


な、なにーっ!!

柚奈ってば あからさまに何言ってんの!



私は雅を見て 目で訴えてみるものの、雅に通じる訳がない。


「 玉木、加寿也さんは大人だ、冗談言っても遊ばれるぞ 」


葵! たくましいよ、あなた!


「 上山くん… 私は冗談なんか言わないよ? いつも、どんな時も 本気 」



きゃーっ、誰か 柚奈に塩撒いて~

嫌な予感する…