お隣さんと内緒の恋話


葵と雅を迎えに来たのか、加寿也が車を降りてきた。


「 どっか行くの?椿ちゃんは来ないって聞いたけど 」

「 あ~ はい、友達のとこに今から… 」

「 そう、じゃあ送るよ。夜 危ないから 」


え~ 優しい!


内心喜んでいると、葵と雅が出てきた。

私は 葵に柚奈に呼ばれて行く事を話すと、横から雅が加寿也に送ってもらえばいいと 言われた。



「 雅くん、さっき加寿也さんにも言われたから 甘えさせてもらうね 」

「 椿、夜は危ないから 一人では行くなよ?」



葵にも心配されながら 私は加寿也の車に乗った。


う~ん… 男3人って ゴツいなぁ


柚奈の家を案内しながら車は進み、8時前には柚奈宅に着いた。

加寿也の車を降りると 柚奈が家から出てきた。


「 椿~」

「 柚奈~!加寿也さん ありがとう。葵、雅くんも ありがと!」

「 二人で何すんだ?」



お礼を言うと、加寿也に聞かれて、私は柚奈を見た。


「 えと、暇だったから 椿を呼んだだけで…」


えっ、マジで!? そんだけ?


「 なんだ、暇なら二人も来いよ、デザートでも食えばいいだろ。ほら、乗んな 」


ええ、それはちょっと~…


「 いいですかぁ!ぜひ お願いしますっ、椿 私カバン取ってくるから~」


行くんかいっ!


思わぬ誘いに 柚奈が乗ってしまい、結局行くことになった。

なぜか 機嫌のいい柚奈を横目に、私の隣にいる葵を見る。


「 椿が来てくれて助かったよ、男3人は むさ苦しい 」


葵ってば 私も同じこと思ったよ。


「 私もいるんだけどなぁ 上山くん!」


柚奈?

なんで 言い方がルンルンしてんの?



急きょ 私と柚奈が加わったせいか 決めていた店をやめて、洋食屋に入った。


「 ここならデザート うまいから 」


加寿也に言われ、さらに柚奈の顔が明るくなる。

もしやと 親友とてしてのカンが働いた私は お店に入ったあと 柚奈をトイレに誘った。