葵も一緒に壮真に会うことになって、私は壮真に連絡して会う約束をした。
約束した場所は壮真が指定した公園。
行ってみれば 公園は柚奈が壮真に告白した場所だった。
さらに言えば 私にとっても思い出深い場所。
「 壮真の奴… 呼んどいて遅い!」
「 なぁ 椿、この公園… 覚えてるか?」
「 覚えてるよ~ あの時は木に隠れてたんだよね 」
柚奈の告白を見守りながら葵を盾にしちゃってたなぁ…
「 椿!上山も、悪いっ 」
「 遅いよ~ 何し… 」
え… なんで?
時間よりだいぶ遅れてきた壮真を見て 私は驚いた。
走ってくる壮真の後ろに 加純が着いてきていたから。
なんで あの子が来てんの…
「 壮真、あのさ… 」
「 椿、俺 柚奈と別れた… あそこにいるのは1年の松原 加純。俺と付き合いたいって… 」
壮真は私が聞く前に加純の事を話してきた。
でも、静かに怒りが込み上げてくる。
「 だから? 私に言われても関係ないんだけど…
それに あんたさ、ここがなんの場所かわかってる?」
私に 言ってみなさいよ!
ここがどんな場所だったか、言ってみなさいよ!
「 俺、加純と付き合うよ 」
は… なに? なんて言ったの?
「 正直、加純を好きかどうかなんて まったく… でも、決めた 」
勝手に話をしている壮真を見て、後ろにいる加純を見る。
私は見えない拳を握った。
「 壮真… 私、聞いたよねぇ この場所がどんな場所かって… あんた、最低だよ!
ここで 他の誰かと付き合う報告する?
しかも 私に!?
ここは、柚奈があんたに告白して、あんたも好きだって言った場所じゃない!なのにっ… 」
なんなのよ、コイツ…
柚奈は まだあんたを好きなのにっ!!
「 椿… 俺、ごめん。誰かから聞くより椿から聞く方が言いと…」
私に謝るの? 信じらんない…
「 バカーっ! マジ最低っ 」
私は壮真に背を向けて歩き出した。

