お隣さんと内緒の恋話


翌朝、いつもより空気がゆっくり流れているようで 睡魔がなかなか離れていかない。

眠い気持ちを 何とか断ち切り、枕の下に手を入れて携帯の時計を見る。



「 …あ、ああっ! ちょっと、嘘でしょ、なんでーっ 8時じゃん!」


思いきり寝過ごした私は遅刻決定。

どんなに急いでも遅刻。

窓から外をみれば やはり雨。


開き直って 急ぎなら準備をするものの、ふと 前日夜に雅なね言われた事を思い出して 落ち込む。


「 雨ごときにって言ったのに遅刻… 最悪 」


何言われるんだか…

やだなぁ ネチネチ言いそうだよ、雅くん。


急ぎに急いて8時半、自宅を出ようとして 携帯がなった。

メールの着信だとわかり後回しにするが、その後 3回続けて鳴った。

早歩きしながらメールを見ると 葵に、柚奈、香伊羅、笑里からだった。


あ~ もう!わかってるから~


学校に着いたのは9時直前。

そっと教室の戸をあければ雅と目が合う。


最悪っ…


「 みんな、織原が来たぞ~ 」


かぁっ、嫌味!! ほんと 最悪っ


「 すみません、ごめんなさい 」

「 ほら、席について すぐ始めろ 」


雅が 鼻で笑いながらテストを机に置かれた私は 息を整え テストに集中した。

終れば 柚奈てて香伊羅、笑里が私の席に寄ってくる。


「 椿、寝坊?」

「 はい、そうなんです~ 」

「 のんきだね、椿は 」


笑里にそう言われて 笑ってごまかした。


「 あ、柚奈… その、大丈夫?」


壮真と別れて クラス同じなんて…


「 大丈夫だよ、気にはなるけど 大丈夫 」


そっか、それならいいけど…


チャイムが鳴ってテストをやり、午後には帰宅。

葵と帰りたいと思っていた私は急いで 校門で待っててほしいとメールした。


柚奈と香伊羅が一緒に帰るため 階段を降りていくと 目の前に壮真と葉山がいた。


そのまま玄関まで行くと、壮真に1年の後輩女子二人が声をかけてきた。