鍋 見すぎ…
赤ウィンナーがそんなに珍しいかなぁ
「 葵、赤ウィンナー食べてみて、意外と美味しいから」
「 じゃあ、いただきます 」
お皿にウィンナーを入れると、小さかったウィンナーもフランクかと思うくらいのサイズになる。
葵の横で 雅にも入れてあげた。
「 ……お、うまい!」
「 うん、うまい!なんだこれ、うまいじゃん!」
「 でしょ~ 」
そうなの、意外なの、それが 美味しいのよっ
食べてみないとわかんないよね。
私は二人が鍋をつつき出したのを見て 私も負けじと食べていく。
「 これ、椿!野菜も食べなさい 」
も~ おばあちゃん…
「 食べてるもん!」
「 赤ウィンナーとお肉しか皿にないよ、食べなさい 」
「 そうだぞ 椿ちゃん、女の子は野菜がいいぞ?せっかくの美人さんにニキビはよろしくないな 」
雅くん… うまいこと言ってくれちゃって!
「 そう言う兄貴も野菜食べろよ、体のために 」
「 そうだよ、雅くんも食べてよ!」
すかさず雅に野菜をたべるよう促す私のお皿には、おばあちゃんが野菜を入れてくる。
食べるしかないが 赤ウィンナーがあれば食べれてしまう。
「 椿はね、小さい頃 鍋が苦手で 野菜だけじゃなく とにかく食べなくて… たまたまあった赤ウィンナーを入れたら なぜか食べたのよ、子供だったわねぇ 今も 」
「 おばあちゃん… 」
よけいな事を…
葵と雅の静かな笑みを 私は見ないように小さく咳払いし 鍋の野菜をつついた。

