お隣さんと内緒の恋話


私が葵について言わなくても 私の顔色で模索しては想像し勝手に盛り上がる柚奈たち。


女って…


「 ねぇ 柚奈、壮真とは続かなかったけど 恋愛したくないとか言わないでね。
時間かかるだろうけど 柚奈ならちゃんとふっ切れると思うし…」

「 そうそう、椿の言う通りだよ~ 今は無理でいいからさ、また恋しようよ 」



笑里が私の言葉に賛同し、香伊羅も頷いて笑みを見せる。


「 ありがと、大丈夫。新しい恋に目覚めたら壮真は思い出だよ、恋しないなんて言わないからさ、当分はグチに付き合って 」


柚奈… 良かった。

きっと柚奈なら大丈夫だよ。



「 椿には負けないから!」

えっ!?


「 私も!」

ちょっと? 香伊羅もなの?


「 私はもっと負けないからねっ イケメン捕まえるから!」

笑里、あんたまで… 玲音はどうすんのよ!


「 私に勝たなくてもいんじゃないの?」

なんか笑えるよ。



先に吹き出した私に、柚奈も香伊羅も笑里もなぜか笑った。

笑いながらも 柚奈の笑顔に 私たちはホッとした。

時間が5時半を回り、帰ることにしたが、玄関先で私は柚奈を見つめた。


「 柚奈、いつでも電話してよ、夜中でもね 」

「 うん、ありがとね 」


内心、本当は心配だった…


でも 立ち直るのは柚奈本人。

次の恋が出来るまでは時間が必要かもしれない。

それでも 柚奈は絶対に恋をする。

私は信じる。

笑里は逆方向のため、柚奈宅で解散した。

帰り際、不意に香伊羅が私に呟いた。


「 椿はさ、なんで上山くんだったの? 先生じゃなくて 」



へ… なにそれ。

なんで雅くんなの…


「 またね、椿!明日ね~」

「 うん、バイバイ 」



手を振りながら私は雅でなく、葵を思っていた。