お隣さんと内緒の恋話


そうはなかなかうまくいかないのが気持ち、心だということを、私たちが理解し気づくには遠い。


「 ところでさ、椿はどうなの?進展あるの?」


柚奈に聞かれて 何の進展かピンッとこなかった。


「 椿~ 聞いてる?上山くんと どうなの?」


あ、柚奈言っちゃった… 笑里 知らないのに…


ガクッと俯く私に、笑里が あっさり言った。


「 私とっくに知ってるけど?椿、話してくれればいいのに~」

「 あ~はは、そだね、ごめん 」

「 で、どこが好きなの?」



どこが? 葵の どこが…か。

そう言われると、1から10までじゃ 足らない気がする。

って言ったら なんか言われそうだし…


「 キスした?」


ん~… んっ!?


「 柚奈っ、笑里も!なんで聞くの、いいじゃん ほっといて~ 」


やだやだ、恥ずかしいっ


「 したんだ!椿 やるじゃーん!ってか、上山くんも男じゃーん!」

「 香伊羅まで!やめてよっ 」


なぜかテンション高い香伊羅に、私の照れはピークに達した。

真っ赤になればなるほど、照れは隠せず、友達の餌食となる。

笑里は私を じっと見て言う。


「 でもさぁ 椿が あの上山くんと付き合うとはねぇ ほんと意外 」


そうかな…


そして香伊羅も。

「 意外だけど、いいんじゃない?上山くん優しそうな感じするし 」


確かに、優しいよ~


「 私は初めから椿のタイプだと思ってたよ~ あの時思ったの、門でさ、椿を女子の群れから助けた時ね。
ちょっとカッコよく見えたしね~ 」


あ、柚奈あの時いたんだよね…

あの引っ張る手の力強さ、覚えてるよ。

なんか、葵に会いたくなってきたな…


「 で、椿、キス以外は? ん?」


あんたたちは もうっ…


「 知らない!」