5時間目が終ると 私は一目散に教室を出た。
なんといっても私には楽しみが待っている。
そう、ついにこの時がきた。
「 もしもし、お婆ちゃん?今からアパート行くから部屋の鍵開けといてね!
すぐだからっ 」
私は 引っ越しするために部屋を開けておいてほしいと お婆ちゃんに電話を入れた。
走る足は朝とは違い軽やかで飛ぶように走れた。
息を乱すも アパートに着くと 苦しさなんて吹き飛ぶ。
「 あ~ 私の部屋!今、部屋に空気いれてあげるからねっ 」
私はすぐに部屋のドアを開けて入り、窓を全開にした。
風が私にそよぎながら部屋中を通っていく。
気持ちいい… 最高!
「 椿、ママ達が部屋にあった荷物を持ってきてくれたよ。置いてあるから見て片付けなさい。
あと、ベッドは私からプレゼントだよ 」
ベッド!! ほんとに!?
「 お婆ちゃん、ありがと!あとはやるから大丈夫だよ 」
荷物は~ あ、あった。
このアパートは2部屋ある。
引き戸を開けるとベッドが置いてあり、布団は花柄カバーがされている。
小さく飛び跳ねるようにウキウキしてベッドに飛び込んだ。
良すぎだよ、お婆ちゃん…
ありがとう。

