翌朝、私はいつもり1時間早く起き、柚奈から返信はないかと携帯を見るが返信はない。
柚奈、どうしたんだろ…
気になりながら学校へ行く準備をし、少し早めに自宅を出た。
葵にメールだけしとこ。
柚奈が壮真とケンカで心配だから先に行くね…と。
たまにはお弁当持参で学校行けたらいんだけどね~
ま、私の腕じゃ無理かな。
学校に着くと、柚奈はまだ来ていなかった。
でも、壮真の机にはカバンがある。
「 壮真… どこ?」
最近ドタバタで柚奈の事 気にかけてなかったな…
ケンカなんて何があったんだろ…
教室を出るとクラス委員の光國と出くわした。
「 わっ、織原、危ね… 」
「 光國くん、ねぇ 壮真見なかった?」
「 あいつなら階段でスレ違ったけど 」
「 ありがと! 柚奈が来たら電話するように言って 」
私は言いながら教室を出た。
階段でスレ違ったなら下に行ったんだよね…
でも どこに?
「 椿 おはよ~」
「 あ、おはよ!柚奈見てない?」
「 ううん 」
ええ、まだ来てないの?
私は階段脇で携帯を取り出して柚奈に電話をかけようとした。
履歴から柚奈を出したところで、手から携帯がスッと離れ上にあがっていく。
「 ちょっ… 」
「 堂々と携帯は使うべきじゃないな、織原 」
「 みっ… 上山先生!? すいません、携帯返してください 」
不敵な笑みで携帯を持ったまま腕を組む雅。
「 先生、お願い~」
「 昨日、ほんとに心配したんだぞ?どこにいたのか まだ葵に言ってなかったろ、葵の奴、君の顔見てホッとしたせいで 肝心な事 忘れてるんだ 」
雅くん…
「 昨日は… 団地の自宅に帰ったんです。夕飯を一緒に食べて、それだけ 」
「 葵に言えないなら 俺に言えばいいから、な? 心配かけんなよ 」
そう言う雅は いつになく優しい顔つきで私を見ている。
「 ごめんなさい…」

