お隣さんと内緒の恋話


あ、とだけ発した葵にイラッとする私。

雅を見れば やれやれ といった感じで微笑んでいる。

当の葵を見れば 誰か知らないが飛びついてきた女と見つめ合っている。


ちょっと、いい加減 離れなさいよ!

しかも見つめ合わないでっ



「 ちょっと、葵っ!」


怒り口調で葵を呼ぶと、葵は ハッとして私を見る。


そう、私よ!彼女の私よ!!


「 ねぇ 葵~ 私を見てよ 」


んなっ…


「 あなた誰? 葵から離れてよ! 」

「 そういう あなたは誰よ? ピーチクパーチクうるさいな!」


はっ! ピーチクパーチクだぁ!?

あったまきたぁ!


「 あん… んむ… んんっ 」


文句を言い出そうとした時、雅が私を止め、葵までもが私の口を手で覆った。


なにこれ…

ひどくない!?


「 ぷっ、やぁだ、笑える~ ブッサイク~ 」


シバくぞ この女ーっ


頭にフツフツと血が上り始めた私はイライラがピークになろうとしていた。


「 とりあえず、場所変えようか。葵、絵茉も連れてこい。さ、椿ちゃん 」


雅~ あんたか仕切るな!

だいたい、絵茉って言った?なんなのよっ

私の葵にベタベタベタベタして!

葵も葵よ、何にも言わないんだから…

なんか、頭きた… メチャクチャ頭にきた!



「 雅くん、ごめん 先に行って?私 トイレ…」


あははは~…

もう、帰る。