お隣さんと内緒の恋話


私の問いに葵は歩きを止めた。


「 ちょ… いきなり止まらないでくれる?カート重いんだから 」

「 椿… 」

「 え? 」

「 織原 椿だろ?だから 椿… 」


私の名前だけど、だから 何よ?


「 椿… 花の椿はキレイだよな 」


は…あ? すご~くムカつくんだけど!!


「 私は花じゃないから!どうせ… 」

「 可愛いよ!椿は… 可愛いよ 」


え……

なに、言って……


ボボボンと顔が赤みを増すのを止められず 思いきり照れてしまった。

可愛いなんて 早々 言われないためドキドキしてまう。

言われる免疫がない事がいかに心臓に悪いか。

相手がダサ男とわかっていても、妙にドキドキしてしまう。


「 冗談はいいから、土、運ぶよ!」

「 照れてる顔も可愛いんじゃない?」

「 うるさいっ」

「 照れて怒るのも可愛いんじゃない?」

「 うるさいっ!」


ダサ男のくせに 私の事 からかってる!


葵は私をからかって楽しんでるのか、笑いをこらえるようにしている。

土をみんなの所に運び、私と葵は先生に言われて一緒に苗を植える事になった。

クラス中がそれぞれに共同作業をしている中で、葵は黙々と手を動かしている。


真面目だなぁ…

みんな遊びながらやってるのに…