葵と話していると 葛西が私をゲーセンに誘った。
葵は無表情でいて内心ムッとしている。
「 葛西くん、悪いけど…」
「 なんで、いいじゃん、行こうぜ 」
もう!
「 私 ゲーセン苦手だからいいよ 」
葵といたいの!
「 苦手でも出来るし、いいから行こうぜ!」
葛西はそう言って私の手を掴んだ。
ちょっ!? も~ 嫌だってのに!
「 葛西くん、離してっ 私 上山くんと…」
葵も やめろと言いそうになったところに、雅が、葛西の手を掴み、私の手を離させた。
「 先生… 」
雅くん、タイミング良し!
「 葛西は葉山とだろ? ついでだから織原、マスク買うの付き合え、上山も。デパに一人は良くないぞ? 」
どんな理由よ、こじつけちゃって。
でも助かった…
「 あそ、じゃあな 」
「 葛西、葉山も帰り気をつけるんだぞ~」
雅の微妙な気転で難を逃れた私たち。
なんか疲れたな…
「 葵、椿ちゃん、今のタイミング良かっただろ?」
「 そんなことより!雅くん、女子二人に声かけられなかった?」
「 女子!まだ誰にも声かけられてないな、珍しく 」
まだ? 普通そんなに声かけないと思うけどね。
「 もういいです!とりあえず、早くマスク買って出ようよ、葵 」
また誰かに会う前に…
そう思っていると、遠めから雅を呼ぶ声がした。
幸いにも柱が盾となり、声が近づく方向からは 葵と私は隠されていた。
「 上山先生~!!」
あの声、トイレで聞いた声だ!
「 お~ なんだ お前らも来てだんだな~」
見ればA組の女子二人だった。

