お隣さんと内緒の恋話


私の耳に飛び込んできた声と話す内容が胃をキュッとさせた。


誰…… 話してんの、誰っ!?


「 ねぇ 早く行って声かけようよ!」

いっ!? マジでっ!


「 だね、行こ!」

ぎゃあ、ダメダメ~



私は急いでトイレから出ようとしたが、タイミング悪くトイレットペーパーがなくなっていた。


んもう! こんな時にっ


私は慌ててトイレットペーパーをつけ直してトイレを出ていった。


間に合わないけど 間に合って~


見てみれば、葵がいるのはわかったが 雅がいない。


あれ? 雅くんいないじゃん、どこ!

どこにいるのっ



トイレで聞いた二人の女が誰かわからないため、見つけても安易に近づけない。


葵… どうしよ、今 雅くんが葵のそばに行って さっきの女達が近づいたりしたら…

私もいるのに…


「 おい、織原?」

は?



呼ばれて 振り向くと、葉山と葛西がいた。


…う、うそ~ なんで 今!?

フードコートで何とか会わずにすんだのに!

しかも葛西くんまで…

こいつ、口軽いから まずいよ…


「 織原、何してんだ 一人で 」

「 何って… 葉山くん達は?」

「 ああ、葛西の姉ちゃんかペットショップにいるんだよ 」



はい?

「 葛西くんの、お姉さん?」


ちょっと待った… まさか、まさか さっき会った店員の 彩香さん!?


「 姉貴、ペットショップで働いてんだよ、店長代理だしな、小遣いなくてさぁ もらいに来た 」


なんて奴… って言うか お姉さんとは。

じゃあ 雅くんに言ってた 弟の事って、葛西くんの事かいっ!


ヤバい……