髪の跳ねを香伊羅に指摘されて トイレで直そうと思い席を立つと担任の成沢先生が来てしまった。
「 1時間目は みんなで裏にある畑を耕して野菜苗を植えてもらう!準備できたら校庭に集合、いいわね!」
まさかの菜園作りに文句を言わない生徒がいるだろうか。
誰もが体育の方がマシだと思っている。
嫌々ながらジャージを履いて教室を出るが、柚奈を見れば壮真がくっついている。
香伊羅は玲音と話ながらいる。
この時、なぜか嫌な予感がした。
「 椿~ なに、ボケっとしてんの?行こうよ!」
「 笑里… なんか楽しそうだねぇ 野菜植えるなんて楽しくない~ 」
「 椿 嫌なの?私 けっこう好きだけどな~ うちはママがガーデニング好きだしね、行こ!」
うちは団地だからなぁ…
菜園なんて 縁がないよ…
笑里と校庭に出ると、担任の成沢先生はいかにも畑仕事をするような格好をしていた。
「 みんないるわね?じゃ、二人一組でやるから ペアになって!」
言われて笑里を見ると すでに席隣の葉山と組んでいた。
なんとなくあぶれてしまう空気に 担任の成沢先生と目が合った。
「 織原さん、上山くんと一緒に来てくれる?土運んでほしいの 」
「 私ですか!」
うそでしょ~
しかも上山 葵と?
「 椿、ダサ男くんと良かったね~ 」
柚奈が後ろから肩をつつき、私に耳打ちした。
「 柚奈っ!!」
なに言うのよっ 信じらんない!

