香澄の視線の先には雅がいると気づいた私。
「 ん~ うまかった!葵もとっくに食べ終わってるし 椿ちゃん行ける?」
「 はい 」
3人で席を立ち、会計する雅を待つ。
雅が店から出ると 香澄が呼び止めた。
何かを話している二人を 少しだけ離れて見ていた。
「 ねぇ 葵、雅くんは香澄さんを どう思ってるかなぁ 」
「 なんで? 雅は 雅だからな、不特定多数の中に本命はいないと思うけど 」
ん~… じゃあ、やっぱり聖奈さんを心のどこかで引きずってるのかな?
わかんないなぁ、ほんと。
「 よし、行こうか。…で、どこ行く?あ、俺 マスク買うんだった 」
「 マスク? なんでまた…」
「 椿ちゃん、風邪の時期到来なんだぞ、誰かの風邪菌をもらって くたばったら困るだろ?」
困る…
「 誰がですか?」
「 女子たち 」
はいはい、そうだね~
「 椿、雅に耳貸すな。ペットショップでも見て来ようぜ。雅、薬局も1階だから 行くぞ!」
んまぁ、葵ったらテキパキと。
たくましい冷静な弟だよ、うん。
「 葵~ 兄貴をイジメんなって~ 風邪引いたら困るんだよ、テスト週間なんだぞ~
だいたい、椿ちゃんがまた赤点取ったらどうする?」
雅くん… 私を出さないで。
赤点なんか もう取らないし!!
「 あの赤点か… 椿、がんばろうな 」
葵~
「 うん、がんばるっ!」
「 がんばってくれよ~ 俺も張りきってテスト作るからな!」
それはいいよ、やめて。

