お隣さんと内緒の恋話


雅が店員の香澄に注文をして、私は雅を じっと見る。

葵はチラリと見るだけで 特にリアクションはない。


葵は冷静っていうか、興味なし?


「 椿ちゃん、香澄が気になる?」

「 え、別に…」

「 それは 俺に興味がわいたのと同じだよな 」

「 違います!」



否定するとこは しっかりしないとね。

それにしても あの香澄さんって、前に見た時と感じが違うよねぇ

まぁ仕事中だから雰囲気は違うかな…

あの時 見た香澄さんは 派手女だったし。

私も大人になったら 変わるのかなぁ?



「 お待たせしました、アイスティは?あなたね 」


香澄がアイスティを持って私を見た。

にこっと営業スマイルに、私は お礼を小さく言った。

葵のサンドイッチに、雅は鉄板ナポリタンだった。



「 雅 これ好きだよね。ゆっくりしてって 」

「 サンキュ、香澄 」


雅くんは酢豚以外で ナポリタンも好きなんだ…

それを知ってる香澄さんは 単なる知り合いの知り合いってわけじゃないよね?

大人関係はある、でも恋人じゃない…


「 雅くんは 女好きだね 」

「 んぐ、ふっ… 椿ちゃん、なに、急にっ 喉に詰まる!」


まぁ、図星というか わかってるけど。


「 椿、雅は女なら何でもいんだよ 」

「 何でも!?」


聞き捨てならないセリフ…


「 葵~ 兄貴をイジメんじゃないよ 」


葵の言った事に軽く反論しながら苦笑してる雅を、私は 楽しく見ていた。

ふと香澄を見てみると、香澄が雅を見ているのがわかった。


香澄さんは、雅くんが好きなんだ…