雅と合流し店に入る。
私が手にしていたバルーンアートの薔薇を雅が見つめる。
「 それ、葵に買ってもらったの?」
「 ううん、イベントでバルーンアーティストが作っててね、さっき通路でもやってて見てたらくれたの 」
「 へぇ 良かったな。ま、葵じゃ普通の風船しか無理だもんな~」
あ!失礼だよっ
「 黙れ 」
「 風船はいいとして、何か食べる?」
ん~ さっきクレープ食べたからなぁ…
「 俺 野菜サンド 」
ええ、 食べるんだ…
「 私はいいです、アイスティだけ 」
「 なんだ、遠慮すんなよ~ 」
遠慮? しませんよ。
雅が注文しようと店員を呼ぶためベルを鳴らすと女性の店員が来た。
あれ、この人 どっかで…
ふと見覚えある店員に 私は 雅を見た。
「 あれ、雅じゃない 」
あ、やっぱり 雅くんの知り合い。
「 香澄… よう、久しぶり 」
久しぶり? って事は いつぶりなんだろ…
私が見た覚えがあるって事は~… あ。
「 あなた!葵が引っ越して来てすぐの頃 雅くんと何かしてた人!」
…はっ! しまったぁ、つい口に…
「 椿ちゃん… 」
「 そうよ、私。雅とは知り合いの知り合いってとこね。注文は?」
知り合いの 知り合い?
友達の 友達みたいな感じ?
でも…
あんなことしちゃえるんだ。
雅くんは彼女いなからなんだろうな…
やっぱり大人はわかんない。

