ムフフな私の悪知恵にはまだ私の知らないオチがある。
それは 音も予告もなく近づいていた。
のん気に鼻歌を鳴らしながら持っていく物を適当にまとめた後、携帯でゲームをしている私。
そして翌朝、ママに起こされるも起きない私を目覚まし時計がしつこく起きろとせっつく。
「 椿!ママたちもう出るから ちゃんと起きなさいよ~ 」
ん~ わかってるし… あと5分~
二度寝を余裕でしてしまう私はやっぱりギリギリで起きた。
「 もう!!なんで私ってこうなの~ 遅刻しちゃう 」
キッチンにあった玉子サンドを一掴み食べて 準備し、慌てて家を出た。
早く引っ越したいよ~
バス亭に着くも 時間が間に合わない。
結局 走るしかない私は毎日必死だ。
遅刻をなんとか免れて教室に入ると、いつもなら柚奈が駆け寄ってくるが来ない。
見回すと 窓側の片隅で 柚奈と壮真が楽しそうにしていた。
そうだった、あの二人…
それにしても疲れたぁ
もう走りたくない~
机に突っ伏していると、女子の嫌そうな声が耳に入った。
「 ねぇ 来たよ、ダサ男くん… 今日も暗いよ~ やだぁ 」
朝から言われてるじゃん、上山 葵…
どれどれ?
嫌がられる葵に目をやると、ウネリがいっそうバサツキ、一部が跳ねている。
ぶっ…… やだ、寝癖?
恥ずかしい奴~
「 椿、おはよ~ ぷっ、やだ、髪跳ねてるよ?直してきなよ 」
「 香伊羅、マジで?」
「 うん、見事な外跳ねだよ、可愛いけどね 」
うっそ~ん!
上山 葵と同じなんてダメだよ~

