「 何してんだ?こんなとこで 」


雅くん!?

なんで ここにっ…


「 上山先生! 先生こそ何してんの?」

「 ん、見回りだ。ほら、帰れよ 」


ふと楓と美乃莉を見ると、唖然としていた。

葵に対して雅ではないかと半信半疑だったところに、雅本人が現れたのだから。


してやったり… 勝った!


「 わかったでしょ、私の彼氏は先生じゃないの!もう、私に関わんないで!」


ムッとする二人は 互いに目で確認し、バツが悪いのか黙って去っていった。

ホッとしたのもつかの間、柚奈と香伊羅は葵の前に立ち覗き込む。


あ~ 葵がダサ男か確認中かな?


「 ねぇ 椿、この上山 葵は あの ダサ男なの?」

「 私も知りたい 」


んもう、二人して… 失礼な!


「 俺はちゃんと上山 葵だよ、有名なダサ男だけど、椿の男だよ 」


え、私の男だよって、や、やだぁ~


私を見る葵が、私の手を繋ぐ。

照れる私を見つめたままの葵、柚奈と香伊羅は目を泳がせ 私と葵を見る。


「 あ…暑苦しいっ あんたたち、私らの前で勝手にラブしないでよね!」


えっ!

「 ほんと、変な汗かいちゃう 」


香伊羅まで!

「 椿を庇ってくれて サンキュな 」


イケメン葵にお礼を言われた柚奈と香伊羅は 照れたのか 顔を赤くした。


「 わかった、上山 葵は実はイケメンだったわけね、ダサ男なんて言ってごめん。椿にもごめんね 」


柚奈…

香伊羅…


「 葵、来てくれてありがとう、嬉かっ… 」


ひゃあ~ わわわわっ!


「 椿のためなら…」


柚奈と香伊羅がいるというのに、堂々と私を抱きしめる葵。

柚奈と香伊羅、目を見開いて 開いた口が閉じなかった。


葵~

恥ずかしいってばーっ!


こうして、雅が彼氏だと言う誤解は解決へ。

ホッとしたいが、葵が私を離さなくて 嬉しい半面、困った。