私を含め、その場にいるみんなが困惑し戸惑った。
葵の素顔を知らないために、雅だと勘違いしている楓と美乃莉。
無理もない、実際 兄弟なのだから似ていて当たり前。
そして、知らないだけに間違っても仕方ない。
「 あんた、上山 葵…なの?」
聞いた香伊羅を横目に見て、私の前に立つ。
「 椿、ごめん、待たせた 」
「 ううん、それより どうしたの?」
ダサ男じゃないなんて…
みんなビックリしてる。
「 あ、あんた誰よ!」
「 椿の彼氏、お前らか? 椿にケガさせたのは 」
葵… 怒ってる?
「 勝手に転んだだけじゃん!…上山先生、じゃないの?制服着て彼氏のフリとか あり得ないから!」
うん!あり得ないわ。
見たくないし。
「 もう これでわかったでしょ、私は上山先生とは何でもないの! 彼氏がいるの、だから 私に構わないで 」
「 信じらんない!あんたの彼氏が… 」
「 イケメンだからムカつく?そう言いたいの?」
押し黙る楓に、葵は睨んだ。
「 また椿に何かしやがったら 女でも許さねぇ!」
葵… カッコいい!
「 そうだよ、椿に何かしたら私たちも許さないから!」
柚奈… ラブ!
そんな緊迫する空気を、なぜか現れた雅が打ち破った。

