お隣さんと内緒の恋話


足を庇いながら教室に行くと 柚奈が私に気づき 駆け寄ってきた。


「 椿~ 」

「 柚奈、おはよっ、うぇ…」

「 椿、ごめんね、ごめんねー!私が悪かったから許して~ 」


苦じぃ…


「 柚… 苦し、ってば~ 」

「 あ、ごめん!」


もう、柚奈のバカ力め…


「 謝らなくていいよ、わかったから。それより A組の楓と美乃莉に 彼氏連れてこいって言われたんでしょ?」


しゅーん となる柚奈、私は大丈夫だと伝えた。


「 椿、おはよ!足は大丈夫?」

「 香伊羅、大丈夫だよ。ありがとね 」


葵はどこかなぁ?


「 椿、A組の二人に上山くん会わせるんだよね?いいの、ほんとに?」

「 いいの、もう話してあるから。私の彼氏だもーん 」


私の答えに、柚奈と香伊羅は笑顔になる。

でも教室内になぜか見当たらない葵。



「 あ、壮真!ねぇ 上山 葵 見てない?」

「 ああ、上山先生と一緒に来るよ。にしてもさぁ 椿 上山と付き合ってたんだな 」


私がそれに答えようとして、柚奈が私より先に 壮真の口を手で塞いだ。


「 柚っ 何す…!?」


あらま、壮真かわいそ。


教室に雅と来た葵が私の顔を見て微笑む。

私は つられて笑みを見せた。


「 ちょっと、かなりラブラブなんじゃん?」

「 えっ!そそ、そんなこと~ 柚奈と壮真に比べれば普通だよ~ 」

「 じゃあ 今の笑み返しは何よ~ 私が照れるじゃんか 」


だって…

好きだもん。

……きゃ~!!